昨日の続き

公共事業というモノはおおざっぱに

分けると「造る」という仕事と同時に

「守る」という仕事に分けられるのである。

「造る」というのは今更説明も要らないと

思うのであるが、橋や道路、河川の堤防や

護岸工事と云った、様々な観点から

モノづくりをするのである。

これは大手・中堅ゼネコン、地方中小の

建設業まで規模の大きさや小ささは

あったにせよ、変わりはないのである。

(当然、技術的な難度もあるけれど)

建設会社は通信簿の様な「経営事項審査」

という評価をされて、その点数をもとに

入札参加できる案件(規模や金額の大小)が

制限される訳である。

経営事項審査は資格を持った社員の数や

経営内容、社会保険や事故と云った

様々な内容を点数化して通信簿みたいな

感じになるモノで、インターネットで誰でも

見る事が出来る様になっているのである。

ちょっと話が逸れてしまったのであるが

話を元に戻して、「造る」と「守る」という

話に戻るのである。

この「守る」という仕事は維持管理や

災害対応が主な業務になるのである。

判りやすく云えば、台風の時に増水した

河川のパトロールや、溢れそうな箇所に

土のうを置いて対応したり、今日の様な

降雪に対して、除雪(雪をどかす)作業や

凍結防止作業(この辺りは塩カルを散布)を

実施する事になります。

先般の東日本大震災でも、道路に飛散した

瓦礫を撤去したり、幹線道路の壊れた箇所を

応急復旧したりしたと思いますが

これも当然、地元の建設業者が行っている

訳です。

これを「維持管理業務委託」といった名称で

請負う訳です。

雪や台風が来ると判ると、道路や河川の管理者

である、国や地方公共団体の担当者と

連絡を行いながら対応する訳です。

あれは私達の立派な仕事の一つですが

出る費用は、使った人や機械の稼働時間に

よって支払われるのが普通で、融雪材散布に

ダンプが1台、人間が3人で○時間という

形になります。

しかし、よく考えてみて下さい、例えば

今日の様に雪が降ったとしましょう。

場所や内容によっては現場が出来ませんから

現場で働く方達は、お休みとなりますが

この維持管理業務が有ると、出社して来る

事になります。

仮に除雪作業や融雪材散布に出動して

3時間作業を実施する事にしても

機械や融雪剤を準備したりする訳で

準備の時間も掛かる訳ですが、精算の時は

作業をしていた時間だけの精算になる

訳で準備した時間などは精算の対象外です。

しかも会社としては、中途半端な出勤

時間でも支払う日当は一日分となります。

考えると割に合わない仕事なのですが

これも地元の為だと、割り切るしか無いのです。

自宅が台風で床上浸水しても、決壊した

堤防の応急復旧に出動していて、奥さんから

呆れられてしまったという、業者さんを

知っていますが、つくづく因果な商売だと

思ったりもします。

昨日も書いた様に「安かろう良かろう」という

市場主義が導入された訳ですから、維持管理の

業務委託も当然、入札の中で最低制限価格の

ギリギリで受注する状況が有ったりします。

「なんだ、安く受注してるんじゃん」と

思われるかもしれませんが、それは

上半期(4-9月)と下半期(10-3月)で

状況が大きく変わります。

考えてみれば判ると思いますが、公共事業

単年度予算で動く場合が殆どですから

仕事の少ない春から秋までは、どの業者も

仕事が欲しくて安値受注をする訳です。

地域によっては、台風の影響が少ない

地域であれば、そんなに大変な業務なる事は

少ない訳です(その分、金額も減りますが)

しかし下半期なると状況が変わります。

有る程度、業者が仕事を抱えているという

事もあって、かつ冬場は降雪の対応が

発生するとなれば、他の現場を止めて

夜中や、早朝から、その対応に迫られる

事になったりします。

そんな面倒くささや効率の悪さから

誰もやりたがらないという状況が

生まれてしまう訳です。

除雪の為だけに使う機械も有る訳で

購入するには大変なお金を払う訳ですが

先ほども書いた様に「使った時間だけ」しか

お金を貰う事が出来ませんから、稼働が

なければ機械代金の100%が業者持ちだし

となる訳です。

「リースやレンタル機械が有るから

使う時だけ借りれば良いじゃん」と

云われるかもしれません。

確かに「造る」現場では、施工期間だけ

ずっと借りていても問題有りませんが

「いつ」出動するか判らない時間では

リース屋さんやレンタル屋さんも

連絡が取れません。普通は寝ている時間に

出動する場合も有るのです。

なので、ウチの家庭でも子供達は

天気予報で「雪」と言っていると

喜んだりしてますが私は「またかぁ」と

ため息が出てしまいます。

もう10年位前になると思いますが

12月の30日から年末年始のお休みに

入ったのに、30日、元旦、3日と

除雪に出勤して、5日から通常営業となり

「何時休んだんだ?」という思いを

した事が有りました。元旦のお節料理を

囲む日に、旦那は外で雪をどかしていた

訳で、仕事とはいえ、何だかなぁと

思ったものです。

昨日も書きましたが、建設会社としては

一部の社会保険に入れない、といった事が

制度的に出来ませんから、日当や基本給の

削減から人件費の削減を始めますが

元が少ない訳ですからたかがしれてます。

経営事項審査に悪影響が出ると判っていても

技術社員のリストラという事態になります。

多くの会社で、これが行われている為に

今まで書いた「除雪融雪」や台風時の

対応が難しい(人がいない)会社が

大変多くなっているのが現状なのです。

今ではちょっと前の40%ほどの金額しか

公共事業は行われていないのが現状ですから

それに合わせて建設会社も人員調整を

行っているからです。

地方によっては、もっと少ない地域も有り

廃業や倒産といった形で業者数は年々

減っているのが現状です。栃木県でも

少し前までは協会員だけでも500社近く

有ったと思いますが今では330程度まで

少なくなっているのが現状です。

「えっ?建設業者数って昔と変わらない」

と、言われる方もいると思いますが

「建設業の許可申請」が出来れば

建設業者になりますから、倒産した会社の

ちょっと出来る人が「建設業許可」を

取得すれば建設業が出来ますが、先ほども

書いた様に経営事項審査を受けたり

社員を抱えて、業務委託を受注する様に

なるまでは、実績や必要な技術者と

何かと必要になるので、時間が掛かりますし

費用的に厳しい、「守る」仕事を進んで

やってくれるとは思いません。

よって維持管理業務委託が出来ない道路や

路線が増えるという構図になっています。

昨日、ブログやSNSで記事をアップした所

コメントを頂いたりシュアして貰ったりで

続きを書いていますが、内容を「構造的不況

と言われていて、納得してしまったのですが

構造的不況」となってしまった原因は

制度の老朽化に有るのではないかと思います。

これはまた後で書きたいと思います。

話はちょっと逸れますが、私達の業界の

若い人達を中心とした会が有ります。

その会は県内10のグループに分かれて

いるのですが、それぞれのグループが

それぞれの地域で、年に一度小学校へ

お邪魔して、総合学習という授業を

やらせて貰ってます。

内容は重機の試乗体験や、実際に

ビオトープを一緒に造ったりと

様々なのですが、私達の所では

必ず、この「造る」と「守る」という

仕事の説明を少しだけします。

すると、驚くのは「小学校の先生でも

「守る」という仕事を私達がやっている

という事を知らない」事です。

大体は「お役所の人がやっている」と

思っているのが殆どです。

子供達に勉強や社会を教える側の

人達が、知らない事を、子供達が

知るはずが無いのです。

これは、宣伝や伝える事が下手な

私達に責任が有ると思いますが

少しづつでも、知って頂ければ

嬉しいと思って、ずっと続けています。
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theme : 建設業
genre : ビジネス

tag : 公共事業 構造的不況 維持管理業務委託 除雪 融雪 台風

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