現場の複雑化と制度の限界

今日は仕組みの話になりますので

ちょっと難しくなりますが、私の

無い脳みそを使って、出来る限り

判りやすく書きたいと思います。

構造的不況だとか話をしてきましたが

今回は現場のお金の話になります。

色々なモノを作る公共事業ですが

私達の場合は「土木工事積算基準」という

お金の計算の基準になる本があります。

側溝を並べる時はm辺り幾らです。とか

色々な工種について決められていて

これを基準に金額を算出していく訳です。

ちょっと見づらいのですが、例えば

舗装工事の一例です。

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表層100m2当たり単価表  (密粒度アスコンt=5cm)       1m2当たり 1,313
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名称     規格 単位  数量  単価   金額  摘要
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世話役        人  0.04 17,600   704  1人×100m2÷(2,300m2/日)=0.043人
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特殊作業員      人  0.13  15,000  1,800  3人×100m2÷(2,300m2/日)=0.13人
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普通作業員      人  0.26  12,900  3,096  6人×100m2÷(2,300m2/日)=0.26人
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再生As混合物     t  12.57  9,000  113,400  100×0.05×2.35×(1+0.07)=12.57t
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瀝青材         L   43   84    3,612   建設物価より
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Asフィニッシャ運転    日  0.043  86,541  3,461  100m2÷2,300m2=0.043日
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ロードローラ運転     日  0.043  37,223  1,488  100m2÷2,300m2=0.043日
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タイヤローラ運転     日  0.043  38,350  1,534  100m2÷2,300m2=0.043日
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諸雑費        式  1(19%)      2,295  瀝青材散布、舗装用器具、補助機械等
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計                     131,390

こんな感じで、単位当たりの金額を算出して

実際の現場の数量に掛けると

金額が出る訳で、この場合1m2当たりの

単価が1,313円ですから200m2有るとすると

舗装工事で262,600円となる計算です。

では、何が問題なのか?となりますが

良く見てもらうと、右側の摘要に数式が

あると思いますが、これが問題になる

「日当たり施工量」というモノで

これが何を意味しているのかというと

「一人の人間が1日に出来る作業量が

2,300m2ですよ」と言っている訳です。

単位数量の計算ですから100/2,300となる。

すると、0.043人という答えが出る訳です。

この場合世話役が1人、特殊作業員が3人

普通作業員が6人という条件で現場

行う事を想定していますが、この人数で

朝から現場を行って2,300m2の舗装を

終わらせてくれるなら、問題有りません。

何故なら1日辺り2,300m2と想定している

訳ですからです。

「合計で10人の人間が2,300m2の舗装工事を

1日で行ってくる」ならです。

4.0mの幅の道路なら575mの延長となります。

現場の交通量や交差点、支障物が有って

半分の延長しか出来ない場合は

どうなるのでしょうか?2日掛かる事に

なりますが、その場合には、この計算式は

どうなるのか?と言えば、そのままです。

つまり人件費が倍掛かってしまう分は

業者の持ち出しとなってしまう訳です。

計算すると1,530円/m2位の単価になりますが

貰えるのは1,313円だけですからm2当たりで

217円損しちゃう事になります。

2,300m2以上施工が出来て、初めて儲けが

出る事になる訳です。

会社が人に払う賃金は日当、つまり

1日幾らで計算しますから、0.043日

という計算にはなりません。

現場の出来不出来に関係なく1日の

日当になる訳です。

当然、2,300m2の日当たり施工量が現場で

出来なければ、余計な日当を払う計算に

なってしまう訳です。

話が説明で長くなってしまいましたが

「日当たり施工量が確保できない現場が

余りにも多い」という現状が有ります。

舗装の一例だけを上げましたが、これだけで

無く、土工や排水構造物なども同様です。

「何もない田んぼの中に、道路を造る」

という工事なら、出来るかもしれませんが

現場環境の複雑化(地下埋設物や人家、商店

交通量の問題)等もあって非常に、この

確保が難しい訳です。

公共工事は、この基準に則って発注者が

積算をしてあります。

現場が町の中にある、といった場合は

多少の補正率(%で上乗せ)して計算を

行う訳ですが、それで先ほどの日当たり施工量が

クリアになるほどの割増率では無いのです。

しかし、受注した業者は日当たり施工量が

確保出来ようが出来まいが、その分の変更は

認めて貰う事が出来ません。

業者の手際の悪さや、段取りの悪さで施工量が

確保できないのであれば、それは

単純に業者の責任ですが、どれだけ優秀な

作業員達でも、交通規制や、現場環境の為に

日当たり施工量が確保できない場合が多く

なってきていると思います。

これが如実に出るのが、橋の橋梁や橋台を

施工する時に行ったりする鋼管杭を打ち込む

基礎工事で、大型の機械を設置する為に

仮設費用が掛かるのですが、この仮設費用

諸雑費の%で計算している為に、本数が

少ないと、仮設費用が足らないという

事態になってしまう場合が有る訳です。

積算の方法については、現場の地質や

環境を踏まえて、行っているのですが

どうも、この辺りが制度が出来た頃に

比べて、追いつかなくなってきている

感じが強い気がします。

日当たり施工量を達成できないという

話をしていますが、大体において、

何とまぁ、日当たり施工数量未満の

現場が多い事(笑)

現場は、例に挙げた舗装工事だけに

行く訳でなく、何をやってから、路盤を

施工して、それから舗装となりますから

1日の作業としては成り立ってますが

日当たり施工量が確保できないロスを

その辺りでカバーしている訳です。

現場毎に日当たり施工量を計算して

積算する事が本来の姿だと思いますが

残園ながら、そうはなりません。

会計監査で、「無駄遣いです」と

怒られてしまうからです。

色々な規則や基準に則って、積算を

行っている訳ですから、規則や

基準が、今では現場に即していない

規則や基準で有っても、それは

「ダメ」となってしまう訳です。

この辺りの日当たり施工量の話は

何年か前当たりから、問題とされ

維持補修工事で現場が点在する様な

工事においては補正が掛かる様に

なりましたが、年々厳しくなっている

環境に対して、制度の改善が追いつかない

状況に有ると思います。

そこで登場するのが「市場単価」や

ユニット単価といったモノですが

どれも厳しい状況である事は

間違い有りませんし、工期が長いという

事もあって、燃料や鋼材が施工途中で

値上がりしても、それが有る一定の

金額以上にならないと変更して貰えず

人出が足りない場合には、積算基準

単価よりも高い単価で専門工事業者に

お願いしないといけない場合も有ります。

設計金額よりも実際に買う時の価格が

高い場合もありますが、それはま後日

ということで。
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genre : ビジネス

tag : 積算基準 制度 現場

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